本ICは、高精度電圧検出回路と遅延回路を内蔵した車載用二次電池監視ICです。SEL1端子とSEL2端子により3セル ~ 6セル直列用の切り換えが可能です。カスケード接続することにより、7セル直列以上のリチウムイオン二次電池パックを保護することができます。また、本ICは、過充電検出動作と過放電検出動作を確認するセルフテストが可能です。
特長
- 各セルに対する高精度電圧検出回路
- 過充電検出電圧n : 2.500 V ~ 4.500 V (25 mVステップ)
精度±20 mV (Ta = +25°C)
精度±30 mV (Ta = −5°C ~ +55°C) - 過充電解除電圧n : 2.300 V ~ 4.500 V*1
精度±50 mV - 過放電検出電圧n : 1.000 V ~ 3.000 V (100 mVステップ)*2
精度±80 mV - 過放電解除電圧n : 1.000 V ~ 3.300 V*3
精度±100 mV - 過充電検出動作と過放電検出動作を確認するセルフテスト結果がOUT1端子、OUT2端子から出力可能
- カスケード接続機能
- 上位モジュール出力をCASI1端子、CASI2端子に接続することにより、 複数モジュールの電池電圧監視が可能
- 各種遅延時間は内蔵回路のみで実現 (外付け容量は不要)*4
- 検出遅延時間 : 0.5 ms, 1 ms, 2 ms, 4 ms, 8 ms, 16 ms, 32 ms, 64 ms, 128 ms, 256 ms
- 解除遅延時間 : 0.25 ms, 0.5 ms, 1 ms, 2 ms, 4 ms, 8 ms, 16 ms
- SEL1端子、SEL2端子により、3セル ~ 6セル直列用の切り換えが可能
- 2種類の検出信号タイプ
- 共通 :
OUT1端子 : 過充電検出信号と過放電検出信号
OUT2端子 : 過充電検出信号 - 分離 :
OUT1端子 : 過充電検出信号
OUT2端子 : 過放電検出信号 - OUT1端子、OUT2端子出力形態
- CMOS出力
- OUT1端子、OUT2端子出力論理
- アクティブ "H"
- 高耐圧
- 絶対最大定格28.0 V
- 広動作電圧範囲
- 4.8 V ~ 28.0 V
- 広動作温度範囲
- Ta = −40°C ~ +125°C
- 低消費電流
- 動作時 : 20 μA max. (Ta = +25°C)
- 鉛フリー (Sn 100%)、ハロゲンフリー
- AEC-Q100進行中*5
- 本ICはISO 26262準拠のバッテリーマネジメントシステム向けに開発されており、本ICの Safety Manual の提供が可能です。*5, *6
*1. 過充電解除電圧 = 過充電検出電圧 − 過充電ヒステリシス電圧
(過充電ヒステリシス電圧nは、0 V ~ 400 mVの範囲内にて50 mVステップで選択可能) *2. 3セル直列のバッテリー監視に使用する場合、過放電検出電圧nは1.6 V以上に設定してください。 *3. 過放電解除電圧 = 過放電検出電圧 + 過放電ヒステリシス電圧
(過放電ヒステリシス電圧nは、0 V ~ 0.7 Vの範囲内にて100 mVステップで選択可能) *4. 検出遅延時間>解除遅延時間となるように設定してください。 *5. 詳細は、販売窓口までお問い合わせください。 *6. ドキュメント提供には機密保持契約書が必要になります。
備考 n = 1 ~ 6
用途
- 車載用二次電池パック (EV, HEV, PHEV等)