1. エイブリックのワイヤレス給電とQiの違いとは?

ワイヤレス給電の国際標準規格「Qi」

スマートフォンなどで広く普及しているワイヤレス給電の規格「Qi (チー)」をご存じですか?

スマートフォンのワイヤレス充電

Qiは、WPC (Wireless Power Consortium, ワイヤレスパワーコンソーシアム) によって規格化されているワイヤレス給電システムです。
5 ~ 15Wの電力伝送能力を持ち、送受電側の制御ICにマイコンを搭載することで、相互認証を実現します。Qiの規格に適合した製品認証を取得しているものであれば、異なるメーカー間の送電機と受電機での電力伝送も可能です。

エイブリックのワイヤレス給電

エイブリックのワイヤレス給電は、独自のアナログ半導体技術でシンプルなワイヤレス給電環境を実現することができます。
0.5W程度の電力伝送能力を持ち、送受電側の制御ICに内蔵した独自の回路で相互確認を実現します。給電機と受電機ともにエイブリックのワイヤレス給電制御ICを内蔵することで電力伝送が可能です。

用途に合わせて選ぼう

Qiを使用したワイヤレス給電は、低電力のアプリケーションではオーバースペックな場合が多くありますが、エイブリックのワイヤレス給電は、搭載製品のコストアップやサイズの肥大化などによりワイヤレス給電を諦めていたような用途にぴったりです。

  エイブリックのワイヤレス給電 Qi
認証 独自方式のため不要* Qiマーク取得には、試験機関等で認証と登録が必要*
対応する電池容量 200mAh未満の小容量
リチウムイオン、リチウムポリマー二次電池がメイン
500mAh以上の中容量
リチウムイオン、リチウムポリマー二次電池がメイン
コイル 小型 中型
給電側サイズ 標準 : 22mmφ 40mmφ (一例)
受電側サイズ 標準 : 10mmφ (33mA)、14mmφ (100mA) 30mmφ (一例)
制御IC シンプル 多機能
パッケージ 6、8ピンのSNTパッケージ
端子を直接モニタ可能
24 ~ 64ピンのBGA、QFNパッケージ
BGAパッケージの場合、信号モニタにビアが必要
マイコン 不要 必要 (内蔵または外付け)
給電開始時間 早い (独自のコイル検出機構による) 遅い (通信による相互認証後に給電開始)
保護機能 温度保護 異物検知等

*販売する国や地域により、電波法などの適合性認証が必要な場合があります。

 

2. エイブリックのワイヤレス給電とQiの共通点とは?

前述したようにエイブリックのワイヤレス給電とQiには違いもありますが、共通点もあります。

エイブリックのワイヤレス給電、Qiともに電磁誘導方式の中の磁気結合方式と呼ばれる方式を採用しています。そして、ワイヤレス給電に使用する周波数が205kHz以下で送信電力が小さいため、エイブリックのワイヤレス給電、Qiともに多くの国で電波法に関する特別な申請をすることなく利用できます。