2. エイブリック製品のつよみ
エイブリックのカウンタICのつよみは、クロックを正確にカウントできることです。
クロックを正確にカウントできるのは、以下の理由があるためです。
アナログクオーツ用ICとリアルタイムクロックの開発知見の応用
エイブリックは、アナログクオーツ用ICやリアルタイムクロックを長年開発してきた経験から、高信頼性の電子回路を設計するための知見を得てきました。この知見は、要素技術としてエイブリックのカウンタICの回路設計に活かされています。
代表的な要素技術 | 内容 |
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パワーオン検出回路 | カウンタICへ電源を投入時に内部のレジスタをイニシャライズ(初期化)し、電源投入後の正確な動作に貢献します。 |
シュミットトリガ回路 | クロックの立上り、立下りを正しく認識し、正確なクロックのカウントに貢献します。 |
ノイズサプレッション回路 | 50 nsecのパルス幅のノイズを除去し、 I2C上の通信エラーを防止することで、 正確なカウントデータの読み取りに貢献します。 |
ハードウェアで実現されたICが正確なカウントを実現
ハードウェアで実現されたエイブリックのカウンタICは、マイクロコントローラ(MCU)に内蔵されているソフトウェア制御タイプのカウンタと違い、暴走、動作停止を起こしません。
エイブリックのタイマICは世界中へ1億7500万個の出荷実績 (2022年度調べ)
エイブリックは、カウンタIC、リアルタイムクロックとアナログクオーツ用ICを年間1億7500万個出荷しており、これまでお客様より高い信頼を得ています。
3. カウンタICの特徴
最大24bit(16,777,215)のアップカウントでMCUの補完機能として貢献
汎用のマイクロコントローラ(MCU)で使えるカウンタ機能は、多くのものが8~16bitです。
これに対してエイブリックのカウンタICは、24bit(LOOP機能を使えば25bit)までカウントできます。すなわち、エイブリックのカウンタICは、カウント値の比較を0.1ppm以下の誤差精度で行うことができるのです。
生体中のバクテリアの量や空気中の粒子の量は、8~16bitのカウンタ(65,536カウント)の最大値よりも多いです。
エイブリックのカウンタICを単独、もしくはMCUのカウンタと組み合わせて使用することで、これらの量を1000万分の1以下の精度で計測することができるようになります。
MCUとの親和性の良さと周辺回路の簡素化に貢献
エイブリックのカウンタICは、I2Cインターフェースの採用によりさまざまなマイクロコントローラ(MCU)に接続可能です。
多くのMCUは、I2Cインターフェースを搭載しています。このため、エイブリックのカウンタICは、さまざまなMCUに接続できます。 このことにより、お客様のアプリケーションに最適なMCUを選択でき、そのMCUにエイブリックのカウンタICを接続できます。 I2CインターフェースはSCLとSDAの2線式のインターフェースであるため、配線と周辺部品が簡素化され、システムを小型化することができます。
4. カウンタICのご提案
ご使用例
低消費電力システムを実現するための使い方
マイクロコントローラ(MCU)を間欠動作させて消費電流の少ないエイブリックのカウンタICをスタンドアローンで動作させます。
MCUの間欠動作はバッテリーの消耗を抑えるため、バッテリー駆動のシステムに最適です。
アプリケーション例
民生機器
アプリケーション例 | カウンタICの使い方 |
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PCボード上のアプリケーション | PC上で、通信切断などのイベントのカウント、メモリへのアクセス回数をカウンタICでカウントする。 |
鍵(キー)などの認証 | あるものが本物かを認証する際、ユニークなクロックをカウンタICでカウントさせる。そして、そのものの認証の際、カウンタICのレジスタのデータとデータベースのデータを比較して、本物かどうかを認証する。 |
RFIDリーダー トランシーバー | 電波の周波数をカウンタICでカウントする。 |
ディスペンサー | 内容量が消費されるたびにセンサで検知して、センサから送られてくるパルスをクロックとしてカウンタICでカウントし、内容量の残量を検知する。 |
コーヒーメーカー | コーヒーメーカーの使用数をカウンタICでカウントして消耗品のメンテナンス時期を知らせる。 杯数をカウンタICでカウントして表示する。 湯量を流量センサで検知して、流量センサが発生するパルスをクロックとしてカウンタICでカウントする。 |
炊飯器 | 炊飯器のお米の量や水の量をセンサで検知してカウンタICでカウントする。 |
産業機器
アプリケーション例 | カウンタICの使い方 |
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ファンモータの風量調整 | ファンモータの回転数を検知して、風量を調整する。具体的には、ホールICを使用してモータ1回転で電気的パルスを発生させ、そのパルスをクロックとしてカウンタICでカウントして回転数を検知する。 |
農業の自動化 | 灌漑施設の水量の自動調整に使える。灌漑施設の水道管に、水が流れるとパルスを発生するセンサを取り付けておき、そのパルスをクロックとしてカウンタICでカウントする。 家畜の給餌回数をカウンタICでカウントし、家畜の健康状態を保つ。 穀物などの生育状態をセンサやカメラなどで検知して、生育状態ごとにカウンタICでカウントして生育状態を管理する。 害虫の捕獲数量をカウンタICでカウントする。 |
デジタルカウンタ | クロックをカウンタICでカウントして表示する。 |
カプセル内視鏡システム | カプセル内視鏡システムで消化器官内の写真を撮った回数をカウンタICでカウントする。 |
Power SCADA (Power Supervisory Control and Data Acquisition) | システム内の電力量計測、発電量計測用途に使用される。電力計は、パルス発生器が組み込まれており、そのパルスをカウンタICでカウントすることで、電力量を計測する。 さらに、ブレーカーの作動や、システム異常などのイベントをカウンタICでカウントする。 |
細菌カウンタ 粒子カウンタ | バイオセンサから送られてくるパルスをクロックとしてカウンタICでカウントし、細菌の数を検知する。 粒子センサから送られてくるパルスをクロックとしてカウンタICでカウントし、粒子の数を検知する。 |
放射線測定 (ガイガーカウンタ) | ガイガーミュラー管から発生されるパルスをクロックとしてカウンタICでカウントし、放射線量を測定する。 |
ドローン制御 | ドローンのプロペラの回転数を検知して、プロペラの回転数を制御してドローンの姿勢を制御する。具体的には、ホールICを使用してモータ1回転で電気的パルスを発生させ、そのパルスをクロックとしてカウンタICでカウントしてプロペラの回転数を検知する。さらに、プロペラの向きの制御のためのx,y,zの3軸のモータの回転数をホールICで検知して、ホールICから出力されるパルスをクロックとしてカウンタICでカウントすることで、プロペラの向きを制御してドローンの姿勢を制御する。 |
3Dプリンタ制御 ロボット制御 | カウンタICをx,y,zの3軸用に3つ使用する。それぞれのカウンタICは、x,y,z軸のトラッキングを担う。x,y,z軸を制御するモータの回転数をホールICで検出して、そのホールICから出力されるパルスをクロックとしてx,y,z軸のカウンタICでカウントしてx,y,zの空間軸で位置を検知する。このことにより、3Dプリンタのモーションコントロールが可能になる。 |
天気観測 | 晴れ、曇り、雨などの天気イベント、温度、湿度測定回数をカウンタICでカウントする。さらに、カウンタICは、サンプリングレートを調整することにも使用される。 |
災害カウンタ | 河川の水位などを検知して、洪水などのイベントをカウンタICでカウントする。 センサを使用して、火災やガス漏れイベントをカウンタICでカウントする。 |
魚の自動尾数カウントシステム | カメラやセンサで魚を検知して、尾数をカウンタICでカウントする。 |
コワーキングスペースの混雑度検知 セキュリティーソリューション | サーモセンサで人を検知して、コワーキングスペースの混雑度を検知するために人をカウンタICでカウントする。このような使い方は、セキュリティーソリューションにも応用できる。 |
マネーカウンタ | 紙幣、貨幣の数をカウンタICでカウントする。 |
車載機器
アプリケーション例 | カウンタICの使い方 |
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ECU(エンジンコントロールユニット)* | エンジンの噴射量を制御する、インジェクターの開閉を制御する、トランスミッションを制御する、故障回数をカウントするなどの目的で、カウンタICを使用する。 |
車載ミリ波レーダー* | 運転イベント、交通イベントをカウンタICでカウントする。 |
車載デジタルビデオレコーダー* | 事故イベント、交通イベント、運転情報をカウンタICでカウントする。 |