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ABLIC、ソシオネクスト社のメディカル関連事業買収により超音波診断装置用の半導体ポートフォリオを強化

ミネベアミツミグループのアナログ半導体専業メーカー、エイブリック株式会社(以下、「ABLIC」)は、医療分野における超音波診断装置用半導体のラインナップ拡充のため、2024年12月にソシオネクスト社よりメディカル関連事業を譲受しました。これにより、ソリューションSoC(System on Chip)事業で知られるソシオネクストから継承したLSI技術と総合的なメディカルシステム設計のノウハウがABLICのポートフォリオに加わることとなります。

ソシオネクストの強みはファームウェア開発とLSI技術を融合させたシステム力と、高精細画像生成のための高度な受信技術にあります。今回の戦略的買収により、ABLICが得意とする超音波機器向け送信IC技術に受信IC技術を加えることでラインアップを強化することが可能となりました。

医療事業の進化
ABLICの医療機器向け半導体事業のルーツは、2016年に日立製作所から関連事業を買収したことに遡ります。以来、超音波診断装置のキーデバイスとして、送信ICや高電圧スイッチICに注力してきました。

今回のソシオネクストの事業買収は、先にも説明したようにABLICの強みである送信技術に優れた受信技術を補完するもので、LSI技術だけでなく、ファームウェアや高解像度画像生成技術を含むシステム設計能力ももたらすこととなります。この統合により、ABLICは様々な超音波機器アプリケーションに対して包括的なソリューションを提供することが可能となります。

モバイル医療機器ソリューション「viewphii」シリーズ
ABLICは、ソシオネクストの事業買収により得た強みを活かし、次世代のワイヤレス医療機器の開発を可能にする画期的な超音波技術ソリューション 「viewphii」シリーズを展開します。これらの専用LSIチップセットは、重要な超音波機能を効率的なパッケージに統合し、複雑な画像処理要件を合理的なソリューションとして提供します。

このLSIは、携帯型超音波診断装置の設計における3つの重要な課題である、消費電力、サイズ、動作時間に対応しています。画像処理に不可欠な機能を最適化されたチップセットに集約することで、小型・軽量化だけではなく、バッテリー駆動で長時間動作するワイヤレス超音波診断装置を開発することができます。

メーカー様の多様なニーズに柔軟に対応するビジネスモデルを用意
viewphii 64 LSIを使用して制作したプロトタイププローブ

 

Small, Smart, Simple」のノウハウでアプリケーションを拡大
ABLICは、1968年に世界初の量産型クオーツウオッチ用CMOS ICを開発して以来、数十年の経験を通じてアナログ半導体技術を開発してきました。低消費電力と超小型パッケージングに関する高い技術力は、ABLICの「『Small, Smart, Simple』なアナログ半導体ソリューションでお客様に感動を提供」というABLICのビジョンと一致しています。

 ABLICの執行役員 兼 CPO(最高製品責任者)の花沢 聡は、以下のようにコメントしています。「今後は、アナログとデジタルの回路技術を組み合わせた高集積ミックスドシグナル・ソリューションの開発を加速させる計画もあります。ABLICの戦略は、我々の得意とするアナログ半導体に周辺デジタル回路技術を組み込んだ高付加価値製品の開発に重点を置いています。その中でも柱の一つとなる医療機器向け半導体については、現在の3倍規模の売り上げを目指していきます。」

 ABLICの超音波ソリューションは、医療分野に限らず、他分野での活用にも大きな期待が寄せられています。ソナー探知システムや非破壊検査装置など自然環境維持やインフラの予防保全・有効活用など、よりよい未来を創り出していきたい、その想いで取り組んでいます。超音波デバイス市場でのポジションを強化する一方で、最高レベルの信号処理精度が要求される、新たな領域への戦略的な拡大を図っています。

 

**ABLICは、医療機器の設計・製造に関わる医療機器業界のサプライヤーと国内外の医療機器メーカーの開発・研究関係者が一堂に会するイベント「Medtec Japan」(2025年4月9日~11日 於:東京ビッグサイト)に出展いたします。
詳しくは『Medtec Japan』出展のお知らせをご覧ください。

 

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