エイブリック株式会社(社長:石合信正、本社:千葉県千葉市、以下:ABLIC)は本日より、広動作電圧範囲で動作する車載用ゼロドリフト・オペアンプ「S-19630AB」の販売を開始しました。
ゼロドリフト・オペアンプは、アンプ自身が持つオフセット電圧を常に監視し、オフセット電圧がゼロになるように調整する機能を持ったオペアンプです。新製品「S-19630AB」は広動作範囲(4.0~36V)動作、低オフセット電圧50μV max、低オフセット電圧ドリフト25nV/℃、125℃動作、消費電流250μAの車載用オペアンプです。
近年、地球環境・資源問題への配慮や関心が高まる中で、「EVシフト」の風潮も加速しつつあり、低燃費を実現したり、温室効果ガスの排出を低減したりするシステムの構築がますます重要となっています。「S-19630AB」は、そのようなシステムで使用されるバッテリの充電電流やリニアソレノイドのコイル電流を高精度に検出する電流センサの実現に大きく貢献します。
弊社独自のチョッパー安定化方式のオフセットキャンセル回路を採用しており、優れた低オフセット電圧特性を実現しています。さらに、車載ICの品質規格「AEC-Q100」に対応しており、アメリカ自動車工業会(AIAG)が定める「生産部品承認プロセス(PPAP)」にも対応しています。
【主な特長】
- 広動作電圧範囲で動作
広動作電圧範囲(4.0~36V)により、5V系のシステムからバッテリ直結の高電圧系のシステムで幅広く使用することが可能です。 - 低入力オフセット電圧、低入力オフセット電圧ドリフトにより高精度を実現
「S-19630AB」は、車載用として、業界トップクラスの低入力オフセット・ドリフトを実現しました。入力オフセット電圧は動作温度範囲内で50μV maxと小さく、また入力オフセット電圧ドリフトが25nV/℃(ナノボルト/℃)と少ないため、微少な信号の増幅用途に最適です。 - 入出力Rail-to-Rail動作
入出力電圧範囲が電源電圧(VSS~VDD)と幅広いため、信号処理の幅を大きく取ることができ、ニーズに合わせた回路設計が可能となります。入力Rail-to-Rail動作により、ローサイド、ハイサイド両方の電流検出に対応可能です。また、36Vの高耐圧動作により、バッテリ直結でハイサイドでの電流検出が可能です。 - 車載品質の確保
「S-19630AB」では、三温度テスト(低温、常温、高温)を実施、また、車載電子部品評議会(AEC)による各種の信頼性・品質評価試験である「AEC-Q100」にも対応予定です。さらに、PPAP(生産部品承認プロセス)にも対応可能で、自動車等の過酷な環境での品質を保証します。
【主な仕様】
- デュアルオペアンプ (2回路入り)
- 動作電源電圧範囲 : 4.0V~36.0V
- 動作温度範囲:Ta=-40℃~+125℃
- 入力オフセット電圧 :±50μV max.(Ta=-40℃~+125℃)
- 入力オフセット電圧ドリフト :±25nV/℃ typ. ±120nV/℃ max. (VDD=30.0V)
- 入力Rail-to-Rail
- 出力Rail-to-Rail
- 消費電流 (1回路あたり) :250μA typ.
- 利得帯域幅積 :1.2 MHz typ.
- スルーレート :0.45V/μS typ.
- パッケージ :TMSOP-8
- AEC-Q100対応 (※)
- PPAP対応可能
(※) 詳細はお問合せください。
【用途例】
- 高精度電流検出
- 各種センサインタフェース
- ストレインゲ-ジアンプ
【データシートURL】
https://www.ablic.com/jp/doc/datasheet/automotive_cmos_opamp/S19630A_J.pdf
【Webサイト】
エイブリック株式会社は、セイコーインスツルの半導体事業を継承し、進化を続けるアナログ半導体専業メーカーです。
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