エイブリック株式会社(社長:石合 信正、本社:千葉県千葉市、以下:ABLIC)は本日より、IoT/ウエアラブル機器向けに電源分圧出力付き 超高効率 降圧型スイッチングレギュレータ「S-85S0Pシリーズ」の販売を開始しました。
降圧型スイッチングレギュレータは、スイッチのオン/オフを繰り返してコイルに発生した電荷をコンデンサに蓄えることにより、電池電圧を降圧するICです。3.6V(リチウムイオン電池1本)の電池電圧を、スマートフォンなどの各種携帯機器に適した1.8Vや2.5Vに降圧することができます。
「S-85S0Pシリーズ」は、電源分圧出力機能と業界トップクラスの超低消費電流260nAを実現した超高効率 降圧型のスイッチングレギュレータを1チップで実現しました。ABLICは電源分圧出力付きの電源ICをラインナップする業界唯一の半導体メーカー※です。
※2018年6月、当社調べ
従来、3V系低電圧マイコンで3.7V Li-ion二次電池などの高いバッテリ電圧を簡易的に監視する際、耐圧の問題から外付け抵抗で分圧して低電圧マイコンのA/Dコンバータへ接続する手法がとられています。更に、バッテリの消費を抑えるため、外付けFETを追加して監視時のみ外付け抵抗に電流を流すケースも多くあります。この従来手法では、
- A/Dコンバータの入力インピーダンスにより監視電圧ズレが生じること
- 素子数増加により専有面積が増大すること
の二つが大きな課題となります。
これらの課題を解決するため、ABLICは電源分圧出力付きの電源ICを開発しました。
【主な特長】
1. 業界唯一の電源分圧出力付き
「電源分圧出力」は電源ICの入力電圧(VIN)をICに内蔵した高抵抗で分圧を行い、バッファを介して出力する機能です。その出力を低電圧マイコンのA/Dコンバータに直接接続することで高精度かつ低消費電流のバッテリ監視が可能です。
また、「電源分圧出力」はイネーブル回路を内蔵しており、機能を使用しない場合は、機能を停止させることで更なる低消費化に貢献します。分圧用の外付け抵抗、イネーブル用の外付けFET無しでバッテリ電圧を監視できるため、機器の小型化に貢献します。
2. 超小型パッケージ「SNT-8A(2.46×1.97×0.5mm)」を採用
「S-85S0Pシリーズ」は、超小型パッケージSNT-8A(2.46×1.97×0.5mm)を採用。IoT/ウエアラブル機器の小型化・薄型化にも貢献できるスイッチングレギュレータです。
3. IoT/ウエアラブル機器のスタンバイ時の電池消費低減を実現
「S-85S0Pシリーズ」は業界トップクラスの超低消費電流260nAにより100uA以下の軽負荷時でも90.5%(100μA負荷時、電源分圧出力ディセーブル時)の高効率を実現しました。IoT/ウエアラブル機器のスタンバイ時の電池消費を抑えることが可能です。
【主な仕様】
電源分圧出力部
- 入力電圧:1.5V~5.5V
- 低消費電流:280nA
- 電源分圧出力イネーブル回路内蔵
スイッチングレギュレータ部
- 入力電圧:2.2V~5.5V
- 超低消費電流:静止時消費電流260nA
- 出力電流:50mA
- 豊富な保護機能: 低電圧誤動作防止機能、サーマルシャットダウン機能、過電流制限機能、自動復帰型短絡保護機能、ソフトスタート機能
【用途例】
- ウェアラブル機器
- IoT機器
- Bluetooth機器
- ヘルスケア機器
- スマートメータ
- Low Power Wireless Sensor Network機器
【データシート URL】
「S-85S0Pシリーズ」
https://www.ablic.com/jp/doc/datasheet/switching_regulator/S85S0P_J.pdf
電源分圧出力機能と超低消費LDOレギュレータを1チップで実現したS-1740/S-1741シリーズもラインアップしています。
https://www.ablic.com/jp/doc/datasheet/voltage_regulator/S1740_1741_J.pdf
【Web サイト】
https://www.ablic.com/jp/semicon/
エイブリック株式会社は、セイコーインスツルの半導体事業を継承し、進化を続けるアナログ半導体専業メーカーです。
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【マスコミ】
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