CLEAN-Boost®(※1)技術は、電池レスでIoTデバイスの電源を作り出すことができる、エナジーハーベストに最適な技術です。 CLEAN-Boost®技術を使えば、これまで捨てられていた微小な自然エネルギーを利用し、IoTデバイスを動作させることができます。
CLEAN-Boost®技術が実現するIoTソリューション
- IoT機器の電源は不要です。
- 電源配線が不要なので、さまざまな箇所に
センサ・BLEモジュールを設置できます。
環境にやさしい、安全なIoT社会の実現に貢献します。
1. CLEAN-Boost®技術とは?
CLEAN-Boost®技術は、時間をかけて蓄電した微小な電力を昇圧し放電することで、一瞬の大きな電力を得る蓄電昇圧回路技術です。
CLEAN-Boost®技術の蓄電昇圧回路 は、鹿威し(ししおどし)の仕組みによく似ています。
鹿威しが少量の水を溜め、一定の量に達したら水を放出するように、CLEAN-Boost®技術は微小な電力を溜め、電力が所定の量に達したら放電します。
CLEAN-Boost®技術は、集めた小さな電力を最大30,000倍にまで大きくして放出できます。
つまり、CLEAN-Boost®技術を活用すると、これまで捨てられていた微小な自然エネルギー(振動や熱)で発電した電力を、無線(BLEなど)等を内蔵したIoTデバイスの動力源にまで大きくすることができるのです。
2. CLEAN-Boost®技術で扱える電力
CLEAN-Boost®技術が扱うことができる微小な電力の源は、我々の身の回りにあふれています。
振動や熱、太陽光、微生物など、それらを電力に変換できるハーベスタ(センサ)さえあれば、CLEAN-Boost®技術でそのエネルギーをIoTデバイスの動力源にすることができるのです。
具体的には、150nW以上を発電できるエナジー・ハーベスタ(センサ)があればIoTデバイスを動作させることができます。※2
3. CLEAN-Boost®技術の蓄電昇圧回路の仕組み
微小な電力を蓄電昇圧する仕組みを、もう少し詳しく見てみましょう。
下図は、実際にCLEAN-Boost®技術によりIoT用の無線送信を行う場合の構成を示しています。
CLEAN-Boost®技術の蓄電昇圧回路にエナジー・ハーベスタ (センサ・発電部)を接続すると、センサで発電される微小な電力が蓄電昇圧回路内の蓄電部に蓄電されます。
そして、蓄電量が一定に達すると昇圧回路により昇圧され、昇圧された電力で無線部が動作します。
もちろんCLEAN-Boost®技術は、これら一連の動作をセンサの発電により得られた電力のみで実現できます。
小さな電力を蓄電昇圧できるCLEAN-Boost®技術だからこそ、電池レスでIoTデバイスを動作させることができるのです。
IEEE S3S Conference 2019で「Best Paper Award」受賞
~CLEAN-Boost®技術による半永久的な電源確保の可能性が、世界で高く評価~
エナジー・ハーベスタからの発電電力を利用して、IoTデバイスの電源を作り出すCLEAN-Boost®技術についての論文が「IEEE S3S Conference」においてBest Paper Awardを受賞しました。
※1 CLEAN-Boost®技術で主となる蓄電昇圧回路技術は、立命館大学との共同研究によって生まれた技術です。
CLEAN-Boost®及びロゴマークは、エイブリック株式会社の登録商標です。(商標登録第 5997416 号、商標登録第 5997417 号)
※2 Minoru Sudo, Fumiyasu Utsunomiya, Ami Tanaka, and Takayuki Douseki, “150-nW FD-SOI Intermittent Startup Circuit for Micropower Energy Harvesting Sensor,” in 2019 IEEE SOI-3D-Subthreshold Microelectronics Technology Unified Conference (S3S), Oct 2019.